GLAD RAG DOLL ダイアナ・クラールが歌う Vintage Songs

ダイアナ・クラールの現代版Glad Rag Doll？

ジャズというジャンルを超えてダイアナ・クラールが挑戦したのは1920年～1930年代の楽曲を現代に蘇らせるというものだった？！
ご存知、夫君のエルビス・コステロの盟友プロデューサーのボーン・バネット氏が仕掛けたのはまさに新感覚のVintage Style Soundなのではないか？と期待して聴いてみました。

Glad Rag Dollってなんだろう？

Rag Dollと云えば子供用の縫いぐるみ人形のことですが、ダイアナ・クラールの刺激的なジャケットでのスタイルとは対極のイメージです。
「Glad」がその謎を解く単語ということでしょうか？
刺激的なダイアナ・クラールのスタイルから真っ先に浮かんだのは「歓びの（大人の）縫いぐるみ人形」でした。

Glad Rag Dollについてもう少し考えてみたら。。。

素直に「Glad Rag Doll」で検索してみてダイアナ・クラール以外でより多く表示された結果を見ましょう。
1929 年のアメリカのPre-Code drama film (Vintage Film (Comedy, Romance))で、女優のDolores Costello 出演、Michael Curtiz 監督作品に同名のタイトル「Grad Rag Doll 」があります。しかし、多くの他の1920年代作品と同様に本編フィルムは紛失しており、同名の楽曲と予告編のみが残されているということでした。

もしかしたらダイアナ・クラールは（プロデューサーは）、1920年～1930年代のアルバムを企画した際にこれらのHollywood Vintage Film全盛の時代に着想を得て、ダイアナ・クラールが現代の「Grad Rag Doll」だったら。。。というイメージであのジャケットデザインになったのかもしれません。おもしろいなと思ったのは、「Glad Rag Doll」の主演女優の名前、Dolores CostelloのFamily Nameが「Costello」という点です。
ご存知のようにダイアナ・クラールの夫君はElvis Costello(芸名：Costelloはアイルランド系の名前に多く、父方の祖母の旧姓に由来)だから、なんとなくCostello被りしてる～と単純に喜んでしまいました。

Glad Rag Dollについてさらに考えてみたら。。。

「Glad Rag Doll」の言葉のニュアンスを考えてみたいと思います。
「Glad」という単語には、どこかホッとするというニュアンスを持った嬉しいという歓びの意味を伴っています。
そこから「Glad Rag Doll」の表すものを考えると「歓びをもたらす縫いぐるみ人形」となるのですが、ここで「Rag」の別の意味を考えると、音楽をやっている人ならご存知のRagtime(ラグタイム)のリズムで書かれた曲を指す場合もあります。ジャズはラグタイムの旋律にシンコペーションを用いた音楽と考えると何か答えが見えて来たように思えてきます。

最後に「Doll」には人形以外に、美しいけど無知な女性、かわいらしい女の子などいくつかニュアンスの違いがありますが、無知というのは幼く純心、純粋だから無知なのだと考えれば、純粋な女の子とも受け取れます。そこで「Glad Rag Doll」をこんな感じでとらえてみたいと思います。

「ラグタイムの旋律に純心に歓びを感じる女の子」

セクシー過ぎるジャケットではありますが。。。(笑)

Diana Krall – Glad Rag Doll

Diana Krall 2012年リリースのアルバム
Grad Rag Doll

「もし過去に行けるなら、荒削りな魅力にあふれた1920年代を選ぶわ」

ダイアナ・クラールがそう語ったそうなのですが、情報が少なくダイアナが本当に何を求めてこのアルバムを制作したのか解りかねるというのが第一印象でした。
ルーツ・ミュージック・テイストの作品を歌い上げていると云うのは理解出来るのですが、ジャズ・アーティストとしての彼女がこれまで確立してきた世界観を覆しかねない作品なので戸惑いを禁じ得ませんでした。
それでもアルバムタイトル「Glad Rag Doll」に込められたダイアナ・クラールのアメリカン・ルーツ・ミュージックに寄せる思いは伝わって来ました。

レーベルデザイン

レーベルデザインには Vintage Film – Glad Rag DollのDolores Costelloのスタイルが連想されます。

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